HHKB歴が10年を迎えたということで,大好きなHHKBを使って記事を書きたくなったのでお付き合いいただきたい.
以前の記事はこちら
使い始めたキッカケ
そもそも何故一般の高校生がHHKBにたどり着くんだって話ですよね.
実は,通っていた高校の物理教師がこれまた変態で,
「HHKBを使わなければ真の理系にはなれない」
みたいな思想の持ち主で,その頃丁度プログラミングや論文執筆で手がしんどくなっていた,そしてタイピングに限界を感じていたときだったので,まんまとその思想に染められてしまったというわけだ.
その頃は,HHKB Professional 2を使用していた.まあもちろんその頃から US無刻印の墨だったが.
現在はHHKB Professional HYBRID Type-S 無刻印を使用している.
現状の配置

HHKBの手前には木で作ってもらったパームレスト,マウスはMX ERGO S,テンキーはREALFORCEだ.
そもそもHHKBって何
Happy Hacking Keyboard, 通称HHKBは, 単なるキーボードではなく思想そのものを形にした道具だ. UNIXの思想家である和田英一氏の発想をベースに, 無駄を徹底的に削ぎ落とした60キー配列が採用されている.
一見すると矢印キーすら存在しないため, 初めて目にした人は驚くかもしれない.
しかしこの構造こそが, 入力時の無駄な手の移動をなくし, 「思考を途切れさせない」ための設計意図だ.
静電容量無接点方式というスイッチ構造もHHKBを唯一無二の存在にしている. (セブンのATMとかと同じ)
メカニカルキーボードのような打鍵のカチッとした感触ではなく, 「スコスコ」と軽やかで一定した反発が返ってくる. 長時間の入力でも疲れにくく, 何よりも打つこと自体が心地よい.
兎にも角にもHHKBが好きなんだ!
もうね,文体とかどうでもよくなるくらい好き.大好き.
打っているだけで気持ちよくなれる.そして意味もなくキーボードを叩きたくなる.
だからWordとかじゃなくてLaTeX使ってみたりとか(まあそれ以外の理由もあるんだけど).
モデル比較
HHKB ラインナップ比較表と購入フローチャート
Classic, Hybrid, Hybrid Type-S, Studioの違いと選び方を, 図でひと目でわかるように整理.
HHKB ラインナップ比較表
| モデル | 接続 | 打鍵感 | 静音性 | 配列 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Classic | USB有線 | 標準 | 標準 | US / JIS | 最もシンプル. バッテリー不要. |
| Hybrid | USB-C, Bluetooth最大4台 | 標準 | 標準 | US / JIS | マルチペアリング対応. 据え置きとモバイル両用. |
| Hybrid Type-S | USB-C, Bluetooth最大4台 | 静音調整済み | ◎ とても静か | US / JIS | 静音スプリング採用. 打鍵音が控えめ. |
| Studio | USB-C, Bluetooth | 新設計スイッチ | ◯ | JISのみ | ポインティング機能と拡張Fn群を統合. |
購入フローチャート
配列と刻印
HHKBの象徴的な特徴が, 無刻印モデルだ. キートップに何も印字がないため, 初見では「どうやって使うのか」と不安になるだろう.
しかし実際に使ってみると, 視覚に頼らず指の感覚で打つことに慣れ, 思考が直接文字に流れ込むような感覚を得られる. 無刻印は見た目の美しさも魅力で, デスクに余計な情報を置かず, 集中を助けてくれる.
一方, 刻印ありモデルは習得コストを抑えられるため, 初めてHHKBを導入する人にとって安心だ. 配列はUSとJISの2種類があり, プログラミングや英文入力中心ならUS, 日本語変換や一般的なオフィス作業ならJISが向いている.
打鍵感と静音性
HHKBを長年使っていて一番の魅力と感じるのは打鍵感だ.とにかくこれ!これに尽きる.
静電容量無接点方式は押し込みの深さにかかわらず反応が一定で, キーごとのブレがない. Hybrid Type-Sはさらに静音性が高く, タイピング音が耳障りに響かない. 指先への反発が柔らかく, 長時間の入力でも疲労が残りにくい.
実際にMacに接続して原稿執筆やプログラミングで使っているが, 一度この感覚に慣れると他のキーボードに戻れなくなるほどだ.
接続と運用
Hybrid系の魅力はBluetoothマルチペアリングだ. Mac Studio, MacBook, iPad, iPhoneと最大4台を登録しておき, Fnキーの組み合わせで瞬時に切り替えられる. 遅延はほとんど感じず, 有線接続に切り替えればさらに安定する. 据え置きとモバイルの両方で同じ打鍵感を得られるのは大きな利点だ.
カスタムと配列設定Tips
HHKBは購入して終わりではない. 純正のオプションや外部ツールを使うことで, 自分仕様にチューニングできる. EscやCtrlを差し色に変えるカラーキーキャップは, 無刻印でも目印になり実用性が高い. パームレストを使えば手首の角度が安定し, 長時間の作業も快適だ.
ソフトウェア面ではBetterTouchToolや公式の配列エディタ,が必須だ. 自分は Fn+IJKLを矢印キーに割り当てている. さらにFn+U/OをHome/End, Fn+PをDeleteに設定することで, プログラミングから原稿執筆までスムーズに操作できるようになった.
まとめ
HHKBは単なる入力装置ではなく, 思考と文字をつなぐ道具だ.
Classic, Hybrid, Type-S, Studioとモデルの選択肢はあるが, どれを選んでも「打つことが快感になる」体験は共通している.
無刻印を選ぶかどうかは勇気のいる決断だが, 慣れてしまえば集中力と生産性を高めてくれる.
一度HHKBに慣れると, ほかのキーボードでは満足できなくなる. 道具に妥協せず, 思考をそのままアウトプットしたい人にこそ, HHKBは最適な選択肢だと断言できる.
