1. 移すものと残すものを分ける
最初に、WordPress本体と画像、データベース、独自ドメイン、DNS、メールを別の項目として書き出します。同じ契約画面に並んでいても、移行方法と切り替わる時刻は同じとは限りません。制作会社や前任者が管理しているものも、契約名義とログイン先まで確認します。
新しいサーバーへ移す対象だけでなく、移行後も旧環境へ残すバックアップや、当面変更しないメールの経路も決めます。対象範囲が曖昧なまま作業を始めると、表示できた時点で完了と誤認しやすくなります。
- WordPressのファイルとアップロード画像
- 記事・設定を含むデータベース
- 独自ドメイン、DNS、SSL証明書
- 問い合わせフォームと会社用メール
2. ファイルとデータベースを別々に保存する
移行元では、WordPressのファイル一式とデータベースを分けて取得します。管理画面から書き出した記事データだけでは、テーマ、プラグイン、画像、細かな設定を戻せない場合があります。取得日、対象ドメイン、保存場所を記録し、作業用コピーと復旧用の原本を混ぜません。
バックアップは、ファイル名が存在するだけで完了にしません。圧縮ファイルを開けるか、データベースの書き出しが途中で切れていないか、対象容量がおおむね一致するかを確認します。移行に失敗したとき、誰がどの手順で戻すのかも先に決めます。
- サイトファイル一式を取得した記録
- データベースを書き出した記録
- バックアップを開けることの確認
- 切り戻し担当者と復旧手順
3. 簡単移行機能の対象条件を読む
レンタルサーバーの移行機能には、WordPressやPHPの版、サイト構成、認証方法、プラグインなどに利用条件があります。候補サーバーの公式マニュアルで、現在のサイトが対象に入るかを確認し、条件外なら手動移行や専門窓口への相談へ切り替えます。
移行機能が扱わないファイルや設定がある場合もあります。移行元の独自設定、アクセス制限、キャッシュ、セキュリティ設定、WordPress以外のファイルがどこにあるかを確認し、自動で移らないものを別の一覧にします。
- WordPressとPHPの対応条件
- マルチサイトや追加認証の扱い
- 移行対象外になるファイルと設定
- エラー時に選ぶ代替手順
4. DNS変更前にテスト環境で確認する
公開先を切り替える前に、移行先の確認用URLやテスト移行機能が利用できるかを調べます。トップページだけでなく、代表的な記事、画像、管理画面、検索、問い合わせフォーム、スマートフォン表示まで同じ順番で確認します。
動作確認の結果は、担当者の記憶ではなくチェック表へ残します。問題が見つかったときは、本番ドメインを向ける前に直します。確認用URLで外部サービスとの連携を試す場合は、誤送信や二重通知が起きないテスト先を使います。
- 主要ページと画像が表示される
- 管理画面で更新と保存ができる
- フォームの送信先をテストできる
- PCとスマートフォンで崩れがない
5. ドメインとメールの依存関係を確認する
独自ドメインのDNSには、ホームページ以外に会社用メールや外部サービスの確認用レコードが含まれることがあります。ネームサーバーを丸ごと変更する場合は、現在のレコードを控え、移行後も必要な設定を新しい管理先へ再現できる状態にします。
ホームページだけを移し、メールは従来のサービスに残す運用もあります。どの記録を変更するのかを一行ずつ確認し、メールの受信先まで一緒に変わらないかを確かめます。担当者が分かれている場合は、切り替え時刻と確認方法を共有します。
- 現在のDNSレコード一覧を保存した
- Webとメールの管理先を区別した
- 外部サービスの確認用レコードを残した
- 切り替え後の送受信テストを決めた
6. 切り替えと切り戻しを同じ計画に入れる
切り替え直前は、記事更新や注文受付などデータが増える作業を一時停止できる時間帯を選びます。最終バックアップを取り、移行先の内容を確認してからDNSを変更します。変更した項目、時刻、担当者を残すと、問題発生時の切り分けが早くなります。
公開後に何が起きたら旧環境へ戻すのかを決めます。トップページが見えるだけではなく、重要ページ、フォーム、管理画面、メールなど業務に必要な項目を受け入れ条件にします。切り戻しに必要な旧契約やファイルは、確認期間が終わるまで削除しません。
- 更新を止める開始時刻と終了条件
- 最終バックアップの取得時刻
- 公開後に確認するURLと機能
- 切り戻す条件と操作担当者
7. 旧環境をすぐに解約しない
移行直後は、DNSの反映差や見落としたページ、外部サービスからの通知が後から見つかることがあります。旧サーバーやバックアップは、重要な確認が一巡し、復旧に不要だと判断できるまで保持します。解約日は請求だけで決めず、確認期間を含めて設定します。
最後に、契約名義、更新方法、管理者、バックアップ、問い合わせ先を運用文書へまとめます。今回の移行を完了させるだけでなく、次の担当者が同じ調査をやり直さなくてよい状態にすることが、引き継ぎの完了です。
- 旧環境の保持期限を決めた
- 公開URLと主要機能を再確認した
- 新しい契約・管理者情報を記録した
- 次回のバックアップ確認日を決めた